静電気対策のポイント
〜机まわり〜
机まわりの作業机や棚、台車、椅子は、静電気が発生しやすい代表的な場所です。
わずかな帯電でも電子部品を壊す恐れがあるため、対策を徹底することが重要です。
机まわりを整えることが、品質トラブル防止の第一歩になります。
作業机の接地について
作業机の表面には導電性マットを敷き、アースキットで接地します。

導電性マットの例
POINT対策のポイント
- 導電性マットは二層以上のものを推奨
- 導電性マットの代わりに、基準値を満たす導電性・拡散性材料も使用可能
- 導電性マットはアース線(アース線付き銅板)を使用して、面で設置
- 二層以上のマットの場合、接地点の金属板・金具は床材の抵抗値の低い面に取り付ける
- 単層構造の場合は、マットを貫通するよう金具を取り付ける
棚・台車・椅子の接地について
机以外の周辺設備も、確実に接地する必要があります。

台車の接地例
POINT対策のポイント
- 導電キャスターやチェーンは2か所以上に取り付ける
- 棚はアース線で各段を接続し、導電マットの抵抗値を確認
- プリント基板を出し入れするマガジンは、金属製や静電気対策がされた材料を使用
(抵抗値: 1.0×105~108Ω) - 樹脂製の通い箱は帯電しやすいため、静電気対策済みの通い箱・スペーサーを使用
(抵抗値: 1.0×105~108Ω)
部品取り扱い時の接地のポイント
机や棚、本体フレームなどの金属部分は必ず接地してから部品を移動することが重要です。
表面マットに接続されたアース線を介して接地し、実装基板を取り付ける際はアース線のクリップを本体フレームに挟んで確実に除電してから作業を行います。
定期点検について
静電気対策は、導入して終わりではなく、定期的に点検して効果を保つことが大切です。
点検済みの漏洩抵抗計で正しく測定し、結果をチェックシートに記録して管理するのが基本です。
| 点検項目 | 点検頻度 | 点検規格・方法 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 棚・台車 | 抵抗値:1回/月 | 7.5×105≦Rg≦1×109Ω | |
| 外観:1回/日 | 目視 | ||
| 椅子 | 抵抗値:1回/月 | Rg≦1×1010Ω | |
| 接地接続部:1回/月 | 目視 | ||
| 外観:1回/月 | 目視 |
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POINT点検のポイント
- 導棚・台車は段ごとに漏洩抵抗を測定
- 目視・手感で汚れ・緩み・欠けを確認し、固定状態もチェック
- 椅子は表面から接地点までの抵抗を測定
- 椅子の外観や接地状態も、目視・手感で確認