エアーツール
2026.09.15
【基礎知識】エアーグラインダーの種類と使い分け・安全ルール
グラインダーは、高速回転する砥石や超硬バーなどの先端工具で、金属などを削るための工具です。圧縮空気を動力源とするものを「エアーグラインダー」と呼び、小型・軽量で取り回しやすく、狭い場所や奥まった箇所の研削作業にも使われています。
ひとくちにエアーグラインダーといっても、種類はさまざまです。また使用する砥石や先端工具によっても、得意な作業が変わります。
この記事では、エアーグラインダーの種類と使い分け、サンダーとの違い、砥石の基礎知識、安全に使うためのルールをご紹介します。
エアーグラインダーとは
エアーグラインダーは、圧縮空気でエアーモーターを回し、砥石や超硬バーなどの先端工具を高速回転させるエアーツールです。金属部品のバリ取りや面取り、溶接後の処理、金型の修正、鋳物の仕上げなど、さまざまな研削作業に使われます。
〈エアーグラインダーの特長〉
- 小型・軽量で取り回しやすい
- 狭い場所や奥まった箇所で使いやすい
- 作業に合わせて先端工具を交換できる
エアーグラインダーの主な種類と使い分け
エアーグラインダーは、形状や取り付ける先端工具によって、主に次の3タイプに分けられます。それぞれ得意な作業が異なるため、削る量や作業スペース、求められる仕上がりから選びます。
〈エアーグラインダーの種類〉
マイクログラインダー

ペンのように握って使う、小型・軽量のグラインダーです。小径の軸付砥石や超硬バーなどを高速回転させ、細かな部分を少しずつ削る作業に適しています。
金型の修正・磨き、精密部品のバリ取り、細い溝や奥まった箇所の仕上げなど、繊細なコントロールが必要な作業で使われます。

ベッセルのGT-MGシリーズは、回転数や先端工具、排気方向などの異なるエアーマイクログラインダーをラインナップしています。精密研削用のほか、平滑研削・研磨に対応したモデルもあり、作業内容に合わせて選べます。
ダイグラインダー

コレットチャックに軸付砥石や超硬バーなどを取り付けて使う、片手サイズのグラインダーです。真っ直ぐなストレートタイプのほか、先端部分に角度を付けたアングルタイプがあります。
機械加工後のバリ取りや面取り、ドリル穴の仕上げ、スポット溶接部の処理、鋳物の仕上げなど、幅広い研削作業に使われます。「ダイ(die)」は金型を意味し、金型の修正・仕上げにも使われてきた工具です。

ベッセルでは、金型修正やバリ取り、金属の研削などに適したダイグラインダーをラインナップしています。ストレートタイプや、狭い場所で扱いやすいアングルヘッド型などがあり、作業内容や加工箇所に合わせて選べます。
ディスクグラインダー

円盤状の砥石を取り付けて使うグラインダーです。オフセット砥石による研削や、対応する機種では切断砥石による切断など、材料を大きく削る作業に適しています。
溶接ビードの除去、鋼材の研削、サビ落としなど、研削量の多い作業で使われます。マイクログラインダーやダイグラインダーと比べて砥石が大きく、研削力が高いのが特長です。
作業内容から選ぶ、グラインダーの使い分け
グラインダーは、「どのくらい削りたいか」と「作業する場所の広さ」から選ぶと分かりやすくなります。
〈グラインダーの使い分け〉
| 作業内容 | おすすめタイプ | 選ぶ理由 |
| 精密部品のバリ取り | マイクログラインダー | 小径の先端工具で細かな部分を削りやすい |
| 金型の細部修正・仕上げ | マイクログラインダー | ペンのように保持でき、繊細にコントロールしやすい |
| 一般的なバリ取り・面取り | ダイグラインダー | 軸付砥石や超硬バーを使い分けやすく、幅広い作業に対応できる |
| 穴の内面・狭い箇所の仕上げ | ダイグラインダー | 細い先端工具を作業箇所へ入れやすい |
| 溶接ビードの除去 | ディスクグラインダー | 広い範囲を効率よく研削できる |
| 鋼材などの切断 | 切断に対応したディスクグラインダー | 切断砥石を使用して材料を切断できる |
同じ「グラインダー」でも、使用できる先端工具や砥石サイズ、回転数は機種ごとに異なります。工具本体だけでなく、使用する砥石や先端工具の仕様も確認して選びましょう。
グラインダーとサンダーの違い

グラインダーとよく混同されるのがサンダーです。
どちらも材料を削ったり磨いたりする工具ですが、一般的には得意な作業が異なります。
〈グラインダーとサンダーの違い〉
| 工具 | 主な作業 | 得意なこと |
| グラインダー | 研削・切断 | バリ、溶接ビード、余肉などを削り取る |
| サンダー | 研磨・表面仕上げ | 表面をならす、塗膜を落とす、仕上げる |
グラインダーは材料を削り取る作業、サンダーは表面を整える作業に向いています。
ただし、取り付ける先端工具によって用途が重なることもあり、「グラインダー=研削だけ」「サンダー=研磨だけ」と完全に分かれるわけではありません。
実際の現場では、グラインダーでバリや余肉を大きく削った後、サンダーで表面を整えるなど、工程に合わせて使い分けます。
- 関連記事
- オービットダイヤとサンダーの選定について
砥石・先端工具の種類

グラインダーは、取り付ける砥石や先端工具によって削れ方が大きく変わります。
グラインダーに取り付けるものが、すべて「砥石」とは限りません。ダイグラインダーやマイクログラインダーでは、超硬バーなどの切削工具も使用されます。
〈代表的な先端工具〉
| 先端工具 | 主な用途 |
| 軸付砥石 | バリ取り、面取り、穴や溝の仕上げ、金型修正 |
| 超硬バー | 金属のバリ取り、形状修正、比較的除去量の多い研削 |
| オフセット砥石 | 溶接ビード除去、鋼材の研削、面取り |
| 切断砥石 | 鋼材、パイプ、ボルトなどの切断 (切断砥石の使用時には、専用のカバーが必要です) |
砥石を選ぶときの基本
研削砥石は、材料を削る「砥粒」を結合剤で固めたもので、内部には気孔があります。研削によって古い砥粒が脱落し、新しい砥粒が現れる「自生作用」によって切れ味を保ちます。
砥石を選ぶときは、被削材に合った砥粒と粒度を確認します。砥粒にはA系、WA系、C系、GC系などがあり、一般鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、非鉄金属など、適した被削材が異なります。また、一般的に粒度の数字が小さいほど粗く、大きく削る作業向け、数字が大きいほど細かく、仕上げ研削向けです。
実際の選定では、砥石メーカーが表示する被削材や用途を確認してください。
砥石を安全に使うためのルール

研削砥石は高速で回転するため、使い方を誤ると砥石の破損や飛散につながります。砥石を取り付ける前の確認から、交換後の試運転、作業中の保護まで、基本的な安全ルールを守ることが重要です。
砥石を取り付ける前に確認すること
砥石を取り付けるときは、工具本体の回転数と、砥石の最高使用周速度・最高使用回転数が適合していることを確認します。砥石の外径や取付寸法が合っていても、使用できるとは限りません。
また、取り付け前には、砥石にひび・欠け・変形がないかを確認します。軸付砥石では、軸径に合ったコレットチャックを使用し、メーカーが指定する突き出し量や使用回転数を守って取り付けてください。
砥石は、サイズだけでなく最高使用周速度・最高使用回転数も確認して選びましょう。
砥石交換と試運転のルール
事業場で労働者が自由研削用砥石の取替え、または取替え時の試運転を行う場合は、労働安全衛生法に基づく特別教育が必要です。
また、労働安全衛生規則では、その日の作業開始前には1分間以上、砥石を取り替えたときには3分間以上の試運転を行うことが定められています。試運転では、異常な振動や音がないかを確認します。
砥石を交換した後は3分間以上試運転し、正面を避けて異常がないか確認しましょう。
砥石カバーと保護具を正しく使う
ディスクグラインダーなどに装備されている砥石カバーは、砥石が破損した際の破片や研削粉から作業者を守るための部品です。作業しにくいからといって取り外さず、使用する砥石に適したものを正しく取り付けてください。
研削作業では、保護メガネまたはフェイスシールド、防じんマスクなど、作業に必要な保護具を着用します。金属研削では火花が発生するため、周囲の可燃物や火花の飛散方向にも注意が必要です。
砥石カバーと保護具を正しく使い、安全な作業環境を整えましょう。
規定の空気圧力で使用する
エアーグラインダーは、取扱説明書に記載された空気圧力を守り、レギュレーターで適正な圧力に調整します。規定以上の空気圧力で使用すると、回転数の上昇や本体・先端工具への過大な負荷につながります。
エアーグラインダーは、規定の空気圧を守って使用しましょう。
- 関連記事
- 圧縮空気とエアーコンプレッサーについて
ベッセルでは、精密研削に適したエアーマイクログラインダーや、研削力と取り回しを両立したエアーディスクグラインダーなどをラインナップしています。
エアーグラインダーの選定でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。


電動式と比べて本体を小型・軽量にしやすく、狭い場所でも扱いやすいのが特長です。