エアーニッパー

2023.09.27

【基礎知識】エアニッパーの選定方法と、別作ブレードの対応例

エアーニッパーは、圧縮空気を動力源としたエアツールのひとつです。射出成形時のゲートカットや、金属の切断、穴あけ、かしめなどの作業を、強力なエアの力で効率的に行うことができ、樹脂成形から金属加工まで、ものづくりの現場で広く使われています。

精度の高いカットを行うためには、機種選定が重要です。エアーニッパー選定の際は、まずワーク材質と切断寸法、使用方法から「機種」を選んだ上で、さらに切断したいワーク材質や刃の当て方から「ブレード」を選びます。

関連コラム
エアーニッパーとは?エアーニッパーの構造と仕組み

本体機種の選定方法

本体機種の選定方法

切断用途で使われるエアーニッパーは、①ワーク材質、②切断寸法、③使用方法を確認した上で、早見表をもとに選定することができます。

① ワーク材質

カットするワークの材質を確認します。

金属 銅線
鉄線
ピアノ線
圧着端子
樹脂 軟質樹脂(塩化ビニル、ポリエチレンなど)
硬質樹脂(アクリル、ポリカーボネイト、ABSなど)

② 切断寸法

カットするワークの切断寸法を確認します。

金属 角(mm2)断面積
丸(φmm)
樹脂 角(mm2)断面積
丸(φmm)

③ 使用方法

エアーニッパーの使用方法を確認します。

使用方法 機種 タイプ
自動機に取り付け 自動機用スライド式
(射出成形機のチャック盤など)
NY・NT
自動機用固定式
(ロボットや治具など)
NR・NS
手作業で使用 手動式(作業者が手持ちで使用) N

機種選定早見表

上記の①②③を参考に、下記の早見表から機種選定※をすることができます。
早見表は、エアーニッパーの代表的な機種を中心に掲載しています。その他のエアーニッパーの選定については、こちらの記事も参考にしてください。

関連コラム
エアーニッパーの種類
機種選定について
機種は、標準的なブレードを取り付けた時の目安です。
実際の選定は、ブレード形状や切断ワークの種類によっても変わります。

NY・NTタイプ

タイプ ワーク材質/切断寸法 機種
銅線 鉄線
(未熱処理)
軟質樹脂 硬質樹脂
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
NY 1 2.0 3.1 1.3 1.3 NY03G
1.6 2 1.0 0.7 3.0 7.0 2.0 3.1 NY05
NF05
1.7 2.2 1.1 0.9 3.5 9.6 2.3 4.1 NY10
NY10
NY10S
NF10
1.8 2.5 1.2 1.1 4.0 12.5 2.6 5.3 NY15
NF15
5.0 19.6 3.4 9.0 NY25
NY25S
NT 1.5 1.7 1.0 0.7 NT03
2.5 4.9 1.0 0.7 NT05
3.5 9.6 2.5 4.9 NT10
5.0 19.6 3.4 9.0 NT20

NR・NS・Nタイプ

タイプ ワーク材質/切断寸 機種
銅線 鉄線
(未熱処理)
ピアノ線
(HV320以下)
軟質樹脂 硬質樹脂 圧着
端子
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
直径
(φ)
断面積
(mm2)
NR
NS
N
1.0 0.7 0.5 0.1 2.0 3.1 NS3
N3
NR3
1.0 0.7 0.5 0.1 2.0 3.1 N5
NS5
NR5
1.6 2 1.0 0.7 3.0 7.0 2.0 3.1 N7
NS7
NR7
1.8 2.5 1.2 1.1 4.0 12.5 2.6 5.3 N10
NS10L
NR10L
2.3 4.1 1.7 1.0 4.5 15.8 4.0 12.5 N12
2.6 5.3 2.0 3.1 1.0 7.0 38.4 5.0 19.6 N20
NS20
NR20
3.3 8.5 2.8 6.1 1.2 10.0 78.5 6.5 33.1 1.25/
2.0
N30
NS30
NR30
5.5 23.7 4.5 15.8 2.0 12.0 113.0 6.5 33.1 N50
NR50
増圧
ユニット
2.6 5.3 1.6 2 5.0 19.6 4.0 12.5 1.25/
2.0
N10+P-10L
NS10L+P-10L
NR10L+P-10L
3.0 7.0 2.2 3.7 8.0 50.2 6.0 28.2 2.0/
5.5
N20+P-20
NS20+P-20
NR20+P-20
4.8 18.0 4.0 12.5 13.0 132.6 7.0 38.4 -0.8 N30+P-30
NS30+P-30
NR30+P-30
6.5 33.1 5.5 23.7 N50+P-50
NR50+P-50

樹脂材料・ゲート径別早見表

切断ワークが樹脂ゲートの場合、下記の早見表による機種選定※も参考にしてください。

関連コラム
樹脂材料の種類について
機種選定について
機種は、標準的なブレードを取り付けた時の目安です。
実際の選定は、ブレード形状や切断ワークの種類によっても変わります。
樹脂材料 ゲート径
φ1 φ2 φ3 φ4 φ5 φ6 φ7 φ8 φ9 φ10 φ12 φ15
アクリル N5 N5 N10 N20 N20 N30 N30 N50
ポリカード N7 N12 N12 N20 N20 N30 N30 N50 N50 NP30 N50
スチロール N3 N5 N10 N10 N20 N20 N30 N30 N30 N50 NP50
ABS N3 N3 N5 N7 N12 N20 N20 N30 N50
ポリエステル N3 N3 N5 N10 N12 N20 N30 N30 NP30 N50 N50
ポリプロピレン N5 N7 N10 N12 N20 N20 N30 N30 N30
ナイロン N3 N7 N7 N12 N12 N20 N20 N30 NP50
ポリアセタール N7 N10 N12 N20 N30 N30 N50 N50
ベークエボナイト N12 N20 N20 N30 N50
メラミンフェノール N7 N12 N20 N20 N30 N50
ポリアミドイミド N7 N12 N12 N20 N30 N50
ポリカーボネート N7 N12 N12 N20 N20 N30 N50 N50
ポリエチレン N10 N12 N20 N30 N50
メラミン N12 N20 N20 N30 N50
エポキシ N7 N12 N12 N20 N20 N30 NP30 N50 NP50 NP50
フェノール N5 N7 N10 N12 N20 N20 N30 N30 NP50 NP50
デルリン N10 N10L N20 N20 N30 N50
塩ビ(軟質/硬質) N5 N10 N12 N20 N20 N30 N30 NP30 NP30 NP30 N50

ブレードの選定方法

ブレードの選定方法

大まかな本体機種を選定した上で、次に用途に合わせたブレードを選定します。
本体機種のタイプを確認した上で、必要な硬度や刃の当て方、切断方法などをこちらの記事を参考に選定ください。

関連コラム
エアーニッパーのブレード種類

ブレード選定早見表

NF・NT・NYタイプ

  • NF
    NFタイプ
  • NT
    NTタイプ
  • NY
    NYタイプ
用途 形状 特徴 記号
樹脂用 ストレート刃 スタンダード AJ AJ
(逆刃:RAJ)
ロング AJL AJL
(逆刃:RAJL)
薄刃 AJT AJT
超硬チップ付 AJB AJB
(逆刃:RAJB)
ハイスチップ付 AJH AJH
V字刃 AJV AJV
寄刃 AJY AJY
クイキリ刃 AE AE
ノセ刃 AD AD
クランク刃 AH AH
(逆刃:RAH)
金属用 ストレート刃 BJ BJ
(逆刃:RBJ)

N・NS・NRタイプ

  • N
    Nタイプ
  • NR
    NRタイプ
  • NS
    NSタイプ
用途 形状 特徴 記号
金属用 スタンダード刃 スタンダード AS AS
ハイスチップ付 HS HS
強力切断刃 スタンダード AG AG
超硬チップ付 BBB BBB
ストレート刃 BJ BJ
クリッパー刃 超硬チップ付 BFB BFB
樹脂用 スタンダード刃 AP AP
ストレート刃 薄刃 AJ AJ
ロング刃 AJL AJL
超硬チップ付 AJB AJB
フラット刃 PF PF
(ロングタイプ:PFL)
クイキリ刃 AE AE
クランク刃 AH AH
左横向き刃 AML AML
右横向き刃 AMR AMR
圧着用 かしめ刃 ACD ACD

別作ブレードの依頼方法

規格ブレードでうまく対応できない場合は、別作ブレードで対応できる場合があります。
ワークに適した別作ブレードをご依頼いただくには、以下の流れをご参考ください。

関連製品
別作ブレードについて

ワークの準備

機種選定・ブレード設計を検討するため、実際のワークをお預かりします。

〈ご依頼のポイント〉

  • 切口テスト・能力テストが必要な場合は、多数のワークが必要です
  • ワークをお預かりできない場合、図面やワークの情報が必要となります
  • 形状によっては、ブレードが完成してからでないとテストできない場合もあります

使用環境の確認

使用環境や実際の状況をもとに、より最適なブレード設計をおこないます。
下記の環境をお知らせください。

使用環境 自動機もしくは手動、ショットサイクル、エアー圧力など
切断状況 どの角度・位置から切断するかなど
ワーク状況 成形品のワークの温度など
現状確認 現在使用中の機器、ブレードなど

ご希望条件の確認

製品の仕上がりに必要な寸法や切口形状、ブレードの長さ、刃開き幅、耐久性などをお知らせください。

〈ご依頼のポイント〉

  • ブレードはできるだけシンプルな形状をおすすめします
  • クランク刃や特殊形状の刃は、耐久性や価格面であまりおすすめしません
  • 刃長が伸びると、切断能力が低下します
  • 十分な能力を得るため、大きな機種や増圧ユニットが必要となる場合があります

別作ブレードのご相談・ご依頼については、こちらからお問い合わせください。

別作ブレードによる対応例

大型成形品のカットや、多数個取りのカット、ガラス繊維の入った強化樹脂のカットなど、別作ブレードによる対応例をご紹介します。

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エアーニッパーの別作ブレードでゲート処理の課題にこたえる
ダイレクトゲート成形品のカット

ダイレクトゲート成形品のカット

衣装ケース、ヘルメット、パイプ接合部品、ゴミ箱、プランターなどの大径スプールのゲートカットです。
別作ブレードによって、長期間使用しても優れた耐久性を発揮します。

多数個取り成形品のゲートカット

多数個取り成形品のゲートカット

小型・軽量なエアーニッパーと別作ブレードによって、チャック盤や待機ジグに簡単に取り付けができます。サイクルタイムにあわせた効率的なカットが実現します。

宝飾ツリーからの製品取りだし

宝飾ツリーからの製品取りだし

指輪、ネックレスなどの貴金属のカット例です。
強力な別作ブレードによって、耐久性向上と効率アップが実現します。

レンズ・導光板・透明製品のゲートカット

レンズ・導光板・透明製品のゲートカット

ヒートニッパーによるクラック・白化防止の使用例です。ヒートニッパーは、刃の温度と切断速度が決め手となります。
別作ブレードによって、屈曲率向上や、高い切り口精度の要求に対応することができます。

食品・薬品ケースのプレフォームカット

食品・薬品ケースのプレフォームカット

プレフォーム成形機に取り付けて使われる例です。
別作ブレードによって、プレフォームを効率よくフラットに仕上げることができ、カット精度の品質向上が実現します。

電子部品や基板まわりのカット

電子部品や基板まわりのカット

はんだ付け後のリード線カットに最適な、ハンディーニッパーの例です。
別作ブレードと卓上ロボットとの組み合わせで、手首への負担を大幅に軽減します。

コイル巻き線機でのワイヤーカット

コイル巻き線機でのワイヤーカット

電源トランスやファンモーター、イグニッションなど、自動巻線機での使用例です。
別作ブレードによって、太い径の金属ワイヤーをカットすることができます。

リサイクル工場の手解体工具

リサイクル工場の手解体工具

パソコンやOA機器、TV、冷蔵庫、洗濯機などのリサイクル工場での使用例です。
別作ブレードによって、ワイヤーや銅管、帯鉄のカット、クギ抜きなど、さまざまな用途に対応することができます。

圧着端子のかしめ作業

圧着端子のかしめ作業

配電盤や電気製品、照明機器などの各種ワイヤーハーネス端子のかしめ作業での使用例です。
別作ブレードによって、指先や手首への負担が減り、効率的な作業が実現します。

アルミ製品や樹脂部材の型抜き

アルミ製品や樹脂部材の型抜き

アルミサッシや薄板への穴あけ・型抜きでの使用例です。
別作ブレードによって、さまざまな形状の穴あけに対応することができます。

ブロー成形品の穴あけ、長穴打ち抜き

ブロー成形品の穴あけ、長穴打ち抜き

穴あけができない容器や自動車ダクトなど、ブロー成形品の穴あけでの使用例です。
別作ブレードによって、長穴打ち抜きが可能です。

その他の用途

その他の用途

別作によるマイクロエッジ付きエアーハサミで、各種難切断繊維やカーボン、アラミド繊維、軟質プラスチック薄板などの切断ができます。
ジーンズのベルトループカット、再生ゴルフボールの皮むき、紡織機のふち切りニッパーなどにも使われています。